かくも年月とは・・・
スマホの充電が突然不能になった。
別のタブレットは充電できてるし、充電器の不良ではなさそうだ。

一年前に買い替えたばかりのスマホである。
いくら何でも、壊れるのは早かろう。
仕方がない。
とにかくショップに行かなくちゃ。

受け付けの女の子が、素早く近づいてきて、
「どうされました?充電が?分かりました。少々お待ちください。」
恐らく、修理に出すか、新しい器械に代えるか、どちらかになりますとの事。
無論、そうなる事は覚悟の上だ。
「だろうね。分かってる。」
程なく、カウンターに案内された。
「あー、これこれこういう訳で、突然充電せんごとなった。」
「ちょっと拝見。」
スマホを手に持つや否や、おもむろに画鋲を引き出しから取り出した。
何をするかと思いきや、ひたすら無言でホジホジするのだ。
どこをって?
ここだ。

「綿クズですね。多分これで良くなったかと。」
私に白い綿くずを見せながら、充電器にスマホをつなぐ彼。
ピコーーーーン
瞬く間に充電開始である。
そういや、プラグを差し込む時、なんかブニュってな感じが・・・
恥ずかしーーー!!
御免ね、忙しい時に。
「いえいえ。皆さんズボンのポケットに入れられるんで、結構あるんですよ。」
その、結構あるってのが、むしろ痛すぎるつーの。
なんせ、ちょっと見れば誰にでもすぐ分かる事なのだから。
こう見えても、私は整備士免許の国家資格を持っている。
数年間ではあるが、実際に工場で車の整備に携わってきた。
謂わば、エンジニアの端くれだったのだ。
年月とは、人をしてこうも迂闊にさせるものか。
と、嘆息した。
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